「中途採用の求人は、いつ出すのが効果的なのか」「求職者が動く時期に合わせて、何を準備すればよいのか」と悩む採用担当者も多いのではないでしょうか。
中途採用は年間を通して行われていますが、4月・10月の入社や夏・冬の賞与支給後の転職を意識して動く求職者もいます。ただし、求職者が動きやすい時期は企業の採用活動も活発になりやすく、求人を公開するだけでは他社の募集に埋もれてしまう可能性があります。
この記事では、中途採用の年間スケジュールを4つの時期に分け、求職者の動きと採用担当者が行いたい準備を解説します。
中途採用は「応募が増える時期」だけに頼らないことが重要
中途採用には新卒採用のような一律の解禁日がなく、欠員補充や事業拡大など、企業ごとの事情に応じて年間を通して行われます。
リクルートワークス研究所の「中途採用実態調査(2025年度実績、正規社員)」によると、2025年度下半期に中途採用を実施した企業の割合は84.4%となり、過去最高を更新しました。また、マイナビの「中途採用状況調査2026年版」では、2026年の中途採用について91.1%の企業が積極的な意向を示しています。
この結果からも、多くの企業が中途採用に取り組み、人材獲得競争が年間を通して続いていることが分かります。「応募が集まりやすいといわれる時期まで待つ」のではなく、入社してほしい時期から逆算して、早めに採用準備を始めることが重要です。
中途採用の年間スケジュール
中途採用のスケジュールは、自社が希望する入社時期だけでなく、求職者が転職を考え始める時期も踏まえて設計します。
マイナビの「転職活動実態調査(2025年)」では、転職活動にかける想定期間について「3カ月以上半年未満」が28.1%で最も多く、「3カ月未満」が26.4%でした。一方、「1年以上」を想定していた人も22.7%おり、求職者によって活動期間には大きな差があります。
そのため、求人公開から入社までを短期間で考えるのではなく、少なくとも数カ月先を見据えて準備する必要があります。
1~3月|4月入社を希望する層と接点を持つ
年明けは、冬の賞与を受け取った後や新年度を前に、今後の働き方を考える求職者と接点を持ちやすい時期です。ただし、4月入社を希望する人は、前年のうちから情報収集や応募を始めていることもあります。
企業側が1月から募集準備を始めると、選考や退職交渉、引き継ぎに必要な期間を十分に確保できない可能性があります。4月入社を目指す場合は、前年10~12月を目安に採用要件を整理し、年内または年明け早々に求人を公開できる状態を整えておきましょう。
採用担当者が行いたい準備
- 採用人数と入社希望時期を決める
- 現場責任者と必須条件・歓迎条件を整理する
- 前年の応募数、選考通過率、採用数を振り返る
- 年末までに求人原稿と選考体制を準備する
- 応募から面接設定までの連絡を迅速に行う
4~6月|新年度の人員不足を確認し、夏以降の採用を準備する
4月は組織体制が切り替わり、新たな人員不足や採用要件が見えやすくなる時期です。また、夏の賞与後や10月入社を意識する求職者が情報収集を始める可能性もあります。
この時期は、欠員が発生してから急いで求人を出すのではなく、今後不足する職種や人数を現場へ確認することが重要です。採用が難しい職種については、ターゲットや労働条件、募集方法を早めに見直しましょう。
採用担当者が行いたい準備
- 新年度の人員配置と欠員状況を確認する
- 夏から秋に必要となる人数を予測する
- 現場責任者へ必要な経験・スキルを再確認する
- 自社求人と競合求人の給与・休日・仕事内容を比較する
- 求人媒体、紹介会社、スカウトなど募集方法を選定する
7~9月|夏の賞与後・10月入社を意識した採用を進める
夏の賞与支給後の転職や、下半期が始まる10月の入社を意識して動く求職者もいます。企業側でも下半期の事業計画や人員配置に合わせて募集が増えるため、求職者との接点が増える一方、採用競合も増えやすくなります。
厚生労働省の「一般職業紹介状況」によると、2026年7月の有効求人倍率は1.18倍、新規求人倍率は2.10倍でした。業界や地域によって状況は異なりますが、求職者に対して複数の求人が存在する環境では、条件だけでなく、仕事内容や働く環境を具体的に伝えることが重要です。
採用担当者が行いたい準備
- 求人タイトルや仕事内容を分かりやすく見直す
- 給与、休日、勤務時間などの条件を競合と比較する
- 社員の声や1日の仕事の流れを掲載する
- 面接日程を複数提示し、求職者が選びやすくする
- 応募から内定までの期間を確認し、選考の停滞を防ぐ
10~12月|翌年の採用計画を立て、年明けの募集に備える
年末に向けて、冬の賞与後や翌年4月の入社を見据えて転職を検討する人が出てきます。年末年始は社内調整や面接日程の確保が難しくなるため、求職者が動き始めてから準備するのではなく、早めに採用計画を固めることが必要です。
また、1年間の採用活動を振り返り、応募数だけでなく、面接率や内定率、入社率まで確認しましょう。応募が少なかった場合と、応募はあっても採用できなかった場合では、見直すべき内容が異なります。
採用担当者が行いたい準備
- 翌年度の採用人数と予算を決める
- 媒体別・職種別の応募数と採用数を振り返る
- 応募から面接、内定、入社までの離脱箇所を確認する
- 年内に求人原稿の修正と社内承認を終える
- 年末年始の応募対応ルールを決める
中途採用の募集時期を決める3つのポイント
1.必要な入社日から逆算する
採用活動では、「いつ求人を出すか」より先に「いつまでに入社してほしいか」を決めます。そこから、求人作成、募集、選考、内定、退職交渉、入社準備に必要な期間を逆算します。
求職者によって転職活動にかける期間が異なるため、急募であっても短期間で必ず採用できるとは限りません。採用難易度が高い職種や経験者採用では、余裕を持った計画が必要です。
2.業界・職種・地域の市場を確認する
全国の求人倍率だけで、自社の採用難易度を判断することはできません。厚生労働省の2026年7月のデータでも、新規求人は前年同月比で、製造業が6.8%増、医療・福祉が1.3%増となる一方、宿泊業・飲食サービス業は10.7%減となっており、業界によって動きが異なります。
自社が募集する地域や職種について、求人数、給与相場、競合企業の条件を確認したうえで、公開時期と訴求内容を決めましょう。
3.応募後の対応体制まで整える
募集時期が適切でも、応募への連絡や面接設定に時間がかかると、求職者が他社の選考を優先する可能性があります。
求人公開前に、応募受付の担当者、連絡方法、面接担当者、合否判断の期限を決めておきましょう。面接官の予定をあらかじめ確保し、応募から内定までの流れを短縮することも重要です。
応募が集まらない場合は「時期」以外も見直す
応募が少ないと、募集時期だけに原因を求めてしまいがちです。しかし、実際には次のような要因が影響している可能性があります。
- 求人タイトルから仕事内容が伝わらない
- 必須条件を多く設定し、対象者を狭めている
- 勤務地や勤務時間がターゲットに合っていない
- 求人媒体と募集職種の相性が合っていない
- 仕事内容や職場環境の情報が不足している
- 応募後の連絡や選考に時間がかかっている
募集時期を変更する前に、「求人が見られていない」「見られているが応募されない」「応募後に離脱している」のどこに課題があるのかを分けて確認しましょう。
まとめ
中途採用では、求職者が動きやすい時期を把握するだけでなく、希望する入社時期から逆算して準備を進めることが重要です。
4月・10月の入社や賞与支給後の転職を意識する求職者はいますが、転職活動の期間やタイミングは一人ひとり異なります。また、多くの企業が年間を通して中途採用に取り組んでいるため、「応募が増える時期に求人を出せば採用できる」とは限りません。
採用計画を立てる際は、業界・職種・地域の市場を確認し、求人内容と応募後の対応体制まで整えましょう。
Gozaru部では、「どの時期に求人を出せばよいか分からない」「求人を掲載しても応募が集まらない」「自社に合った募集方法を見直したい」といった、企業ごとの採用課題に合わせて採用活動をサポートしています。中途採用の計画や求人内容についてお困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。
リクルートワークス研究所「中途採用実態調査(2025年度実績、正規社員)」
https://www.works-i.com/surveys/report/260612_midcareer.html
マイナビキャリアリサーチLab「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」
https://career-research.mynavi.jp/reserch/20260327_109053/
マイナビキャリアリサーチLab「転職活動実態調査(2025年)」
https://career-research.mynavi.jp/reserch/20250924_102151/
厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年7月分)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75707.html
リクルート「中途採用の担当者向け完全ガイド」
https://www.spi.recruit.co.jp/spi3news/000427.html

















