【人手不足が進む2040年】企業の採用課題と今からできる対策

企業が今から取り組むべき人材戦略 2040年の人材不足に向けた採用課題の対策

「求人を出しても応募が集まらない」「以前より採用が難しくなった」と感じている企業もあるのではないでしょうか。

少子高齢化などを背景に、今後は働き手の不足がさらに進むと予測されています。ただし、すべての職種や地域で同じように人材が不足するわけではありません。
これからの採用では、人手不足という大きな変化を知ったうえで、自社が採用したい職種や地域の状況を確認し、採用方法を見直していくことが重要です。

本記事では、2040年に向けた人手不足の予測と、企業の採用に起こり得る課題、今から見直したい採用対策について解説します。

2040年問題とは?人手不足の予測と企業への影響

リクルートワークス研究所の「未来予測2040」では、2030年に341万人余、2040年には1,100万人余の労働供給が不足すると予測されています。
同研究では、労働供給量は2022年の約6,587万人から2040年には5,767万人まで減少すると予測されており、2027年頃から減少が加速するとされています。

一方、労働需要は大きく減少しないと見込まれています。
そのため今後は、企業が必要な人材を確保することが、これまで以上に難しくなる可能性があります。

2040年問題とは、少子高齢化による人口構造の変化などに伴い、労働力不足や社会保障などの課題が深刻化すると懸念されている問題です。

企業の採用活動においても、働き手の減少によって人材確保が難しくなる可能性があります。特に採用にかけられる予算や人員が限られる中小企業では、今のうちから採用条件や募集方法を見直しておくことが重要です。

2040年に人手不足が深刻化する職種とは?

人手不足を考える際に注意したいのが、職種によって人材の需要と供給に差があることです。

経済産業省の「2040年の就業構造推計(改訂版)」では、2040年に現場人材が約260万人不足する一方、事務職では約437万人の余剰が生じる可能性が示されています。

また、専門職では約181万人、AI・ロボットなどの利活用を担う人材では約339万人が不足すると推計されています。
つまり、今後の人手不足は、すべての職種で同じように進むわけではありません。自社が募集する職種や地域によって、採用の難しさが異なる可能性があります。

特に人材不足が進む職種では、これまでと同じ採用条件や募集方法を続けているだけでは、応募者を確保しにくくなることも考えられます。

また、リクルートワークス研究所の「未来予測2040」でも、職種によって労働力の不足率に違いがあると予測されています。
例えば、介護サービス職では25.3%、商品販売職では24.8%、輸送・運搬に関わる職種では24.2%の労働力が不足すると推計されています。

2040年の職種別労働力不足率(予測)

リクルートワークス研究所の原典PDF『未来予測2040』の「図表3 職種別シミュレーション」を参考に、2040年の職種別労働力不足率(予測)を表した図
介護サービスは25.3%、商品販売24.8%、輸送・運搬24.2%、建設業22%、生産工程13.3%

出典:リクルートワークス研究所『未来予測2040』(2023年)図表3をもとにGozaru部作成
https://www.works-i.com/research/report/item/forecast2040.pdf

これらの数値は全国規模の将来予測であり、すべての地域や企業で同じ割合の人材が不足することを意味するものではありません。

中小企業では、全国的な人手不足の傾向を把握するだけでなく、自社の勤務地や募集職種で、どの程度採用が難しくなっているかを確認することが重要です。

例えば、求人を掲載しても応募が集まらない場合は、給与や勤務時間などの条件が近隣の競合求人と比べてどうなのか、確認することから始められます。

人材不足によって企業の採用に起こる課題

人材不足が進むと、企業の採用活動にはどのような影響があるのでしょうか。
ここからは、採用担当者が確認しておきたい主な課題を紹介します。

応募が集まりにくくなる

求職者よりも求人の選択肢が多い状態では、求人を掲載するだけでは応募につながらないことがあります。特に人材不足が進む職種では、複数の企業が限られた人材を採用しようとするため、企業間の競争も起こりやすくなります。

応募が少ない場合は、「人手不足だから仕方がない」と判断するのではなく、給与や勤務時間、勤務地、仕事内容などが求職者の希望と合っているか確認することが大切です。

大企業と比べて知名度や採用予算が限られる中小企業では、求人を掲載するだけでは応募が集まりにくい場合があります。

ただし、採用予算を大きく増やすことだけが対策ではありません。例えば、求人原稿に具体的な仕事内容や1日の流れ、入社後の教育体制を記載することで、求職者が働く姿をイメージしやすくなります。

また、応募後の連絡が遅れると、求職者がほかの企業の選考に進んでしまう可能性もあります。本業と採用業務を兼任している場合は、応募通知の確認方法や連絡する担当者を決めるなど、無理なく対応できる仕組みを整えることも大切です。

希望する人材だけでは採用が難しくなる

「若い人を採用したい」「経験者を採用したい」など、採用条件を細かく設定するほど対象となる人材は少なくなります。
もちろん、業務上必要な経験や資格まで外す必要はありません。
一方で、「これまで採用してきたから」という理由だけで条件を設定している場合は、本当に必要な条件なのかを見直す余地があります。
年齢や経験だけでなく、入社後に活躍・定着できる人物像から採用ターゲットを考えることも重要です。

他社との比較で選ばれにくくなる

求職者は、自社の求人だけを見て応募先を決めるわけではありません。
給与、休日、勤務時間、仕事内容、勤務地、福利厚生など、複数の求人を比較したうえで応募先を選びます。
そのため、自社では一般的だと思っている条件でも、同じ地域・職種の求人と比べると求職者に選ばれにくい場合があります。
応募が集まらないときは、自社の求人だけを見るのではなく、競合求人との違いも確認しましょう。

採用後の定着も重要になる

人材不足が進むなかでは、新しく採用することだけでなく、入社した社員に長く働いてもらうことも重要です。
仕事内容や勤務条件について、求人情報と入社後の実態に違いがあると、早期離職につながる可能性があります。
求人を作成するときから、仕事内容や働き方をできるだけ具体的に伝え、入社後のミスマッチを減らすことが大切です。

中小企業が今からできる5つの人手不足・採用対策

人手不足への対策は、求人広告の予算を増やすことだけではありません。

中小企業では、採用ターゲットや求人条件、募集方法を見直すことで、これまで応募対象になっていなかった求職者に自社の求人を届けられる可能性があります。

まずは現在の採用活動を振り返り、取り組みやすい項目から改善していきましょう。

  1. 採用ターゲットを見直す
    まず確認したいのが、「どのような人を採用したいのか」です。年齢や経験だけでターゲットを決めるのではなく、以下の内容を整理してみましょう。

    ・実際に自社で活躍している社員
    ・長く働いている社員
    ・仕事に必要な経験やスキル
    ・入社後に身につけられるスキル

    「経験者でなければ難しいと思っていたが、教育すれば未経験者でも対応できる」
    「若手を希望していたが、実際にはミドル層も活躍できる」など、採用対象を広げられる可能性があります。
  2. 求人条件と競合求人を比較する
    応募が集まらない場合は、給与だけでなく、勤務時間、休日、勤務地、仕事内容などを同じ地域・職種の求人と比較します。
    確認したいのは、「自社の条件が良いか悪いか」だけではありません。
    求職者から見たときに、自社を選ぶ理由があるかという視点が重要です。
    条件そのものを変更することが難しい場合でも、仕事の魅力や働き方、教育体制など、求人で十分に伝えられていない情報がないか確認しましょう。
  3. 求人内容を見直す
    求人を掲載していても、仕事内容や働くメリットが求職者に伝わっていなければ応募にはつながりません。

    例えば「未経験歓迎」と書くだけではなく、
    ・入社後にどのような仕事から始めるのか
    ・誰が仕事を教えるのか
    ・どれくらいで仕事を覚えられるのか
    まで伝えると、求職者が入社後の働き方をイメージしやすくなります。

    企業側が伝えたい情報だけでなく、求職者が応募前に知りたい情報が掲載されているかという視点で求人を確認しましょう。
  4. 採用方法を見直す
    求人媒体やハローワークなど、一つの採用方法だけで十分な応募を確保できない場合は、採用ターゲットに合わせて募集方法を見直します。
    求人検索エンジン、ダイレクトリクルーティング、社員紹介など、採用方法によって接点を持ちやすい人材は異なります。
    大切なのは、採用手法を増やすことではなく、採用したい人材に求人を届けられているかを確認することです。
  5. 応募後の対応と定着まで確認する
    応募数だけを増やしても、応募者と連絡が取れなかったり、選考途中で辞退されたりすれば採用にはつながりません。応募から最初の連絡までに時間がかかっていないか、選考期間が長くなっていないか、面接前に必要な情報を伝えられているかなど、応募後の流れも確認しましょう。
    また、採用後の早期離職が多い場合は、採用活動だけではなく、仕事内容や教育体制、職場環境などに原因がないか確認する必要があります。
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人手不足に備えて採用以外にもできること

応募が集まらないと、「人手不足だから仕方がない」と考えてしまうこともあります。しかし、採用できない原因は人材不足だけとは限りません。

例えば、

  • 採用ターゲットが狭い
  • 給与や勤務条件が市場と合っていない
  • 求人で仕事の魅力が伝わっていない
  • 採用したい人材が利用する媒体に掲載できていない
  • 応募後の連絡や選考に時間がかかっている

など、企業側の採用活動を見直すことで改善できる場合もあります。

まずは「応募が少ない」「面接につながらない」「採用しても定着しない」など、採用活動のどこに課題があるのかを分けて考えることが大切です。

課題が分かれば、求人内容を変更するのか、ターゲットを見直すのか、採用方法を変えるのか、優先して取り組む対策も決めやすくなります。

まとめ

2040年に向けて人材不足が進むと予測されていますが、その影響は職種や地域によって異なります。そのため、「人材不足だから採用できない」と考えるのではなく、自社が採用したい人材の市場を確認しながら、採用ターゲットや求人内容、募集方法を見直すことが重要です。

まずは、

「応募が集まっていないのか」
「応募はあるが面接につながっていないのか」
「採用できても定着していないのか」

など、自社の採用課題を整理するところから始めてみましょう。

Gozaru部では、「応募が集まらない」「求人を見直したい」「自社に合った採用方法が分からない」など、企業ごとの採用課題に合わせて採用活動をサポートしています。
人材不足のなかで、今後の採用方法を見直したいとお考えの場合は、お気軽にご相談ください。

参照:
・経済産業省「2040年の就業構造推計(改訂版)」
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/shin_kijiku/pdf/030_s02_00.pdf
・リクルートワークス研究所「未来予測2040 労働供給制約社会がやってくる」
https://www.works-i.com/research/report/item/forecast2040.pdf
・村富政策研究所「政策トレンド10」
https://muratomi.jp/policy-trends10/

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鬼頭 亨輔
人材会社で採用支援に携わっています。人材不足に悩む企業をサポートしながら、アグリゲーションサイトの特徴やオウンドメディアの活用法など、日々学びを深めています。このブログでは、採用現場での気づきや最新情報をわかりやすく発信していきます。ぜひ気軽にご覧ください!