ハローワークの直接リクエストは助成金対象外?注意点とトラブル防止策

ハローワークの直接リクエストは助成金対象外?注意点とトラブル防止策

ハローワークの「直接リクエスト」は、企業から求職者へ求人情報を送れる便利な機能です。

また、ハローワークを通じた採用では、一定の要件を満たすことで雇用関係助成金の対象となる場合があります。しかし、直接リクエストをきっかけに求職者が「オンライン自主応募」をした場合、予定していた助成金が対象外になる可能性があります。また、直接リクエストには7日間の期限があり、公開されている求職情報も、ハローワークがすべて確認した情報とは限りません。

制度を十分に理解せず利用すると、「採用後に助成金の対象外だと分かった」「資格や職歴が想定と異なっていた」といったトラブルにつながるおそれがあります。

本記事では、直接リクエストを利用する採用担当者が知っておきたい助成金との関係や、運用上の注意点を解説します。

⚠️直接リクエストとオンライン自主応募の違い

直接リクエストは、企業が求職者へ自社求人への応募を検討してもらうための機能です。
直接リクエストを受けた求職者は、次のいずれかの方法で応募できます。

  1. 求職者マイページからオンライン自主応募をする
  2. ハローワークへ相談し、紹介を受けて応募する

オンライン自主応募は、求職者がハローワークの職業紹介を受けず、企業へ直接応募する方法です。そのため、求人がハローワークに掲載されていても、オンライン自主応募による採用は「ハローワークの紹介」には該当しません。

この応募経路の違いが、雇用関係助成金の対象可否に影響します。

【要注意】オンライン自主応募で助成金が対象外になる仕組み

雇用関係助成金の中には、対象者を「ハローワークまたは一定の職業紹介事業者等の紹介によって雇い入れること」を支給要件としている制度があります。

オンライン自主応募は、ハローワークによる職業紹介ではありません。そのため、職業紹介を要件とする助成金は、オンライン自主応募で採用した場合、原則として対象外になります。

対象外となる可能性がある助成金の例には、次の制度があります。

  • 特定求職者雇用開発助成金
  • トライアル雇用助成金
  • 地域雇用開発助成金

注意したいのは、「ハローワークに求人を掲載したか」ではなく、「求職者がどの経路で応募・採用されたか」が判断材料になる点です。

例えば、ハローワークに掲載した求人へ求職者がオンライン自主応募をした場合、応募先はハローワーク求人であっても、ハローワークの紹介を受けたことにはなりません。

また、直接リクエストを送った企業が、求職者の応募方法を指定することもできません。そのため、助成金を前提として採用する求人に直接リクエストを利用すると、求職者がオンライン自主応募を選択し、助成金の紹介要件を満たせなくなる可能性があります。

助成金を予定している場合の確認事項

助成金の利用を予定している求人では、直接リクエストを送る前に、次の点を確認しましょう。

  • 利用予定の助成金に紹介要件があるか
  • オンライン自主応募でも対象になる制度か
  • 求人が助成金の対象求人として登録されているか
  • 対象者や雇用形態など、その他の要件を満たすか
  • 管轄のハローワークまたは労働局へ確認したか

助成金は、ハローワークの紹介を受ければ必ず支給されるものではありません。対象労働者、雇用期間、雇用保険への加入、申請期限など、制度ごとに複数の条件があります。

採用後に応募経路を変更することはできないため、助成金を利用する可能性がある場合は、選考開始前に確認することが重要です。

社内では、助成金の利用を優先する求人と、直接リクエストによる応募獲得を優先する求人を分けて管理すると、応募経路の混同を防ぎやすくなります。

❓直接リクエストの「7日間ルール」とは

直接リクエストには、求職者が応募を判断する期限があります。

求職者が辞退した場合、または直接リクエストを行った日の翌日から7日間が経過しても応募がなかった場合、直接リクエスト上は辞退として扱われます。
ただし、この7日間は企業が面接や採否決定を完了する期限ではありません。

また、7日間が経過した後でも、求人が公開中でオンライン自主応募を受け付けていれば、求職者が改めて応募することは可能です。

企業側では、直接リクエストを送った後、求人者マイページを定期的に確認する必要があります。オンライン自主応募は、ハローワークから企業へ紹介連絡が入る仕組みではないため、マイページを確認しなければ応募を見落とす可能性があります。

「送信したら完了」ではなく、送信日、7日間の期限、応募状況を求人ごとに管理しましょう。

👓自己申告情報の見極めが重要

直接リクエストでは、求職者が公開している職歴、経験、資格、希望条件などを確認できます。

ただし、公開情報は求職者本人が入力したものであり、ハローワークがすべての内容を確認・証明しているわけではありません。

そのため、「資格あり」「経験あり」と記載されていることだけを理由に、採用条件を満たしていると判断するのは避ける必要があります。

資格や経験を確認する際のポイント

例えば「フォークリフト経験あり」と記載されていても、次の内容までは公開情報だけでは判断できない場合があります。

  • 運転技能講習を修了しているか
  • 資格証を現在も保有しているか
  • 実務経験がどの程度あるか
  • どの種類のフォークリフトを扱っていたか

「事務経験あり」という情報についても、一般事務、経理事務、営業事務など、担当業務によって経験内容は異なります。

業務上必須となる資格や経験は、応募書類、資格証の写し、面接での聞き取りなどにより確認しましょう。

📝応募経路と選考記録を残しておく

オンライン自主応募は、ハローワークによる職業紹介ではありません。そのため、応募や選考に関するトラブルは、原則として企業と求職者の当事者間で対応します。

トラブル防止のため、次の情報を記録しておきましょう。

  • 直接リクエストを送信した日
  • 求職者が応募した日
  • ハローワーク紹介かオンライン自主応募か
  • 送信したメッセージ
  • 提出された応募書類
  • 面接で確認した資格や経験
  • 選考結果と連絡日

特に助成金を利用する場合は、「ハローワーク紹介」「オンラインハローワーク紹介」「オンライン自主応募」を区別して管理することが重要です。

求人者マイページ上の情報だけでなく、社内の応募者管理表にも応募経路を記録しておくと、助成金申請時の確認漏れを防ぎやすくなります。

まとめ

ハローワークの直接リクエストは、無料で活用できる便利な採用機能ですが、応募経路によっては助成金の対象外になる可能性があるなど、事前に理解しておくべき注意点があります。

制度を正しく理解し、自社に合った運用ルールを整えることで、採用時のトラブルを防ぎながら、より効果的な採用活動につなげることができます。

「直接リクエストを活用したい」
「採用担当になったばかりで制度がよく分からない」
「他業務と兼任していて採用に十分な時間を割けない」
という企業様・担当者様も、お気軽に当社までお問い合わせください。
採用状況に合わせた運用方法や採用活動をサポートいたします。

出典元;
・「オンライン自主応募について~事業主の方へ」ハローワークインターネットサービス
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/enterprise/ent_service04.html
・「よくあるご質問(仕事をお探しの方)」ハローワークインターネットサービス
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/help/question02.html
・「特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)」厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/tokutei_konnan.html
・「トライアル雇用実施要領」厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001688431.pdf
・「オンライン自主応募・直接リクエストに関する注意点」愛知労働局
https://jsite.mhlw.go.jp/aichi-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/shokugyou_shoukai/2021kyujinonline.html
・「求人者マイページ利用規約」ハローワークインターネットサービス
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/doc/kiyaku_mypage202603.pdf
・「令和8年度 雇用・労働分野の助成金のご案内」厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/001711599.pdf

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鬼頭 亨輔
人材会社で採用支援に携わっています。人材不足に悩む企業をサポートしながら、アグリゲーションサイトの特徴やオウンドメディアの活用法など、日々学びを深めています。このブログでは、採用現場での気づきや最新情報をわかりやすく発信していきます。ぜひ気軽にご覧ください!