社員のキャリア形成を企業が支援するには?具体的な方法と導入手順を解説

社員のキャリア形成を企業が支援するには?具体的な方法と導入手順を解説

社員の成長を支援したいと考えていても、「具体的に何をすればよいのか分からない」「研修制度を整える余裕がない」と悩む企業もあるのではないでしょうか。

働き方や仕事に対する価値観が多様化する中、社員が将来の目標を持ち、必要なスキルを身につけられる環境づくりが重要になっています。

キャリア形成支援は、大規模な研修制度を導入することだけではありません。日々の業務や面談を通じて、社員の成長を後押しすることもできます。

本記事では、キャリア形成の基本的な意味から、企業が支援するメリット、具体的な取り組み、中小企業でも実践できる導入手順まで解説します。

キャリア形成とは?企業が支援する意味

キャリア形成とは、仕事を通じて経験やスキルを積み重ね、自分が目指す働き方や将来の目標に向かって成長していくことです。

単に昇進や転職を目指すことだけではなく、専門性を高めたり、新しい仕事に挑戦したりすることもキャリア形成に含まれます。

キャリア形成は社員本人が主体となって進めるものですが、企業にも成長を後押しする役割があります。例えば、新しい業務に挑戦したい社員がいても、学習機会や上司に相談できる環境がなければ、希望するキャリアを実現することは難しくなります。

そこで企業に求められるのが、研修やキャリア面談、業務経験の拡大などを通じた支援です。
社員の希望と企業が求める役割をすり合わせながら、双方にとって成長につながる環境を整えることが大切です。

企業が社員のキャリア形成を支援すべき3つの理由

社員のキャリア形成を支援することは、個人の成長だけでなく、企業の人材育成や採用活動にもつながります。

1.社員の定着や働く意欲の向上につながる

社員が自分の成長や将来のキャリアをイメージできる環境は、仕事への意欲を高めるきっかけになります。

例えば、定期的な面談で本人の希望を確認し、目標に応じた業務を任せることで、日々の仕事に目的を持って取り組みやすくなります。
成長の機会があると感じられる職場づくりは、社員の定着を促すうえでも重要です。

2.社内人材の育成と適材適所の配置につながる

社員の得意分野や希望するキャリアを把握することで、能力を生かした業務分担や人員配置を検討しやすくなります。

例えば、事務職の社員がデータ分析に関心を持っている場合、集計業務や資料作成などを段階的に任せる方法が考えられます。
既存社員の能力を広げることは、外部採用だけに頼らない人材確保にもつながります。

3.採用活動で企業の魅力を伝えやすくなる

求職者が企業を選ぶ際には、給与や休日などの条件だけでなく、入社後にどのような経験を積めるかも判断材料になります。

研修制度や資格取得支援、キャリア面談などの取り組みを求人情報で具体的に紹介することで、入社後の働き方や成長のイメージを伝えやすくなります。
特に中小企業では、制度の規模だけでなく、実際にどのような業務を経験できるのか、どのような支援を受けられるのかを示すことが大切です。

企業ができるキャリア形成支援の具体例5選

キャリア形成支援にはさまざまな方法があります。自社の規模や人員体制に合わせて、無理なく取り組める方法から始めることが重要です。

1.定期的なキャリア面談を実施する

上司と社員が定期的に面談し、現在の仕事に対する考えや今後の希望を確認します。

面談では、現在の業務で感じている課題、身につけたいスキル、将来挑戦したい仕事などを質問するとよいでしょう。
人事評価のためだけではなく、社員の希望を把握する場として活用することがポイントです。

2.研修や資格取得の機会を提供する

社内勉強会やオンライン研修、資格取得支援などを通じて、社員が必要な知識を学べる環境を整えます。

例えば、管理職候補にはマネジメント研修、事務職にはExcelやデータ活用に関する研修など、担当業務や目標に応じて内容を設定します。
外部研修の導入が難しい場合は、社内の経験者が講師となる勉強会から始める方法もあります。

3.新しい業務に挑戦できる機会を設ける

日常業務の中で、社員がこれまで経験していない仕事に挑戦できる機会を用意します。

例えば、営業担当者が新人教育に携わる、事務担当者が業務改善プロジェクトに参加するなど、現在の職種を生かしながら経験の幅を広げる方法があります。
部署異動を伴わなくても、担当業務を一部変更することで新しいスキルの習得につなげられます。

4.キャリアパスや評価基準を明確にする

社員が将来の働き方を考えやすくするために、社内でどのような役割や仕事を目指せるのかを示します。

管理職への昇進だけでなく、専門性を高める働き方や、複数の業務を担当する働き方など、さまざまな選択肢を示すことが大切です。また、必要なスキルや評価基準を明確にすることで、社員が目標を立てやすくなります。

5.学んだことを実務で生かせる環境をつくる

研修や資格取得で知識を身につけても、実際の業務で使う機会がなければ、十分な成果につながらない場合があります。

研修後には、学んだ内容を活用できる仕事を任せたり、上司が振り返りの機会を設けたりすることが重要です。例えば、業務改善の研修を受けた社員に、担当業務の課題整理や改善案の作成を任せる方法が考えられます。

中小企業がキャリア形成支援を始める3つのステップ

キャリア形成支援を始める際、最初から大規模な研修制度や人事制度を整備する必要はありません。まずは社員の状況を把握し、実施できる取り組みから段階的に進めましょう。

STEP

社員の希望や課題を把握す

最初に、社員が現在の仕事にどのような考えを持っているのか、今後どのような仕事に挑戦したいのかを確認します。
定期面談や簡単なアンケートを活用し、希望するキャリアや必要だと感じている支援を整理します。

STEP

必要なスキルと成長機会を整理する

社員の希望と企業が必要とする業務を照らし合わせ、どのような経験やスキルが必要なのかを検討します。
例えば、将来的にチームリーダーを目指す社員であれば、新人教育や業務進捗の管理などを経験する機会が考えられます。

STEP

小さく実施して定期的に見直す

最初から全社員を対象に制度を導入するのではなく、特定の部署や希望者から取り組みを始める方法もあります。
一定期間が経過したら、社員の満足度やスキルの習得状況、業務への活用状況を確認しましょう。取り組みの結果を振り返りながら改善することで、自社に合った支援方法を見つけやすくなります。

キャリア形成を阻害する3つの課題と対策

キャリア形成支援は、制度を用意するだけでは十分ではありません。社員が実際に活用できる環境を整えることが重要です。

課題1.業務が忙しく、学習時間を確保できない

日々の業務が優先され、研修や新しい仕事に取り組む時間を確保できない場合があります。
このような場合は、業務時間内に学習時間を設けたり、担当業務を調整したりする方法が考えられます。
まずは短時間の社内勉強会など、通常業務と両立しやすい取り組みから始めることが大切です。

課題2.社員が将来のキャリアをイメージできない

社内で目指せる役割や必要なスキルが明確でないと、社員は何を目標に成長すればよいのか分からなくなる場合があります。
企業は、社内で活躍する社員の経験を紹介したり、職種ごとに必要なスキルを整理したりすることで、将来の選択肢を示すことができます。

課題3.新しい挑戦が評価につながらない

研修を受けたり、新しい業務に挑戦したりしても、その取り組みが評価されなければ、社員の意欲が低下する可能性があります。
成果だけでなく、スキルの習得や業務改善への取り組みなども確認し、上司が適切にフィードバックすることが重要です。
また、社員の希望を確認せずに新しい業務を任せると、負担や不満につながる場合もあります。本人の意向と業務量を踏まえ、無理のない範囲で成長機会を設けましょう。

まとめ

社員のキャリア形成を支援することは、個人の成長だけでなく、働く意欲の向上や人材の定着にもつながります。

まずは社員の希望や課題を把握し、キャリア面談や研修、新しい業務への挑戦など、自社で実施できる取り組みから始めることが大切です。

また、人材の定着を考えるうえでは、入社後の育成だけでなく、採用段階から自社に合った人材を見極めることも重要です。

Gozaru部では、応募獲得から採用・定着まで、企業の採用活動を伴走型でサポートしています。 採用活動や人材の定着に課題を感じている企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。

参考文献;

独立行政法人 労働政策研究・研修機構(JILPT)「日本企業における人材育成・能力開発・キャリア管理」
https://www.jil.go.jp/institute/reports/2017/0196.html

経済産業省「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会 報告書 ~人材版伊藤レポート~」
https://warp.ndl.go.jp/web/20210502213843/www.meti.go.jp/shingikai/economy/kigyo_kachi_kojo/pdf/20200930_1.pdf

Schoo「キャリア開発とは|具体的な方法や先進的な企業事例を紹介」
https://schoo.jp/biz/column/1062

マイナビキャリアリサーチLab「これからの企業のキャリア形成支援の在り方を考える」
https://career-research.mynavi.jp/column/feature/career-development/

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鬼頭 亨輔
人材会社で採用支援に携わっています。人材不足に悩む企業をサポートしながら、アグリゲーションサイトの特徴やオウンドメディアの活用法など、日々学びを深めています。このブログでは、採用現場での気づきや最新情報をわかりやすく発信していきます。ぜひ気軽にご覧ください!