「ハローワーク」のイメージは、今や大きく変わっています。特に企業向けのオンラインサービスは、採用活動の効率を向上させます。
この記事では、ハローワークインターネットサービスの機能【直接リクエスト】を最大限に活用し、採用を成功させるための解説します。
企業向けハローワークオンラインサービスとは?
「直接リクエスト」は、企業がハローワークに登録している求職者を検索し、入社してほしい人材に直接求人情報を送れるサービスです。厚生労働省が運営するハローワークインターネットサービス上で提供されている無料のダイレクトスカウト機能で、企業が求人情報を登録すると、ハローワークの求職者データベースから条件に合う人材を検索できます。その中から最大10名に対して「直接リクエスト(スカウト)」を送ることができます。
これまでは、求職者からの応募を待つ「受け身」の採用が中心だったハローワークですが、このサービスにより企業側から積極的にアプローチする「攻めの採用」が可能になりました。
この機能は、ハローワークに登録された求職者のうち、
・求職者マイページを開設している
・「求職情報の公開」に同意している
という条件を満たした人材に対してのみ利用可能です。
ハローワークでもスカウトが可能に
民間の求人サイトではすでに一般化している「スカウト」や「ダイレクトリクルーティング」ですが、無料で使えるハローワークの直接リクエストにも、同様の効果が期待されています。
たとえば、自社が求めるスキルや経験を持つ人材を事前に確認し、マッチ度の高い求職者へ個別にアプローチすることで、応募の質が向上します。
さらに、求職者は企業からのリクエストを見ると、安心感や信頼感を覚えやすく、応募へのハードルが下がる傾向があります。自社に関心を持ってもらえる確率も高まるため、「母集団形成に課題がある」「求人を出しても応募が来ない」という企業にとっては、大きな武器になります。
直接リクエスト活用のメリット
- コストをかけずにスカウト可能
何といっても大きな魅力は、利用料が無料という点です。民間の求人媒体でスカウト機能を利用すると、1人あたり数千円〜数万円の課金が発生することもありますが、ハローワークの「直接リクエスト」はすべて無料です。 - 採用スピードの加速
今までは、ハローワークに求人したら応募を待つだけでしたが、これからは、自社に合いそうな求職者に直接アピールできるようになりました。企業側からアクションを起こせることで、応募を待つよりも早く接点を持てるようになり採用のスピード感が上がります。特に即戦力人材や中途採用においては、スピードが成否を分ける要素になるため、この点は見逃せません。 - ミスマッチを防ぎやすい
求職者の公開情報(職務経歴・希望条件など)を事前に確認した上でアプローチするため、条件のズレによる早期離職リスクも軽減されます。
注意点とデメリット
- リクエスト対象の制限がある
スカウトできるのは、「求職情報を公開している人材」に限られます。ハローワーク利用者すべてが対象になるわけではなく、登録済みでもマイページを開設していない求職者は対象外です。そのため、採用ターゲットが十分な数に満たない場合もあります。 - リクエスト人数は最大10人/求人
1件の求人票につきリクエストできるのは10人までという上限があります。数多くの候補者にアプローチしたい場合は、複数の求人票を用意する必要があります。ただし、その場合も求人内容が重複しすぎると指摘を受ける恐れがあるため、注意が必要です。 - リクエストした日の翌日から起算して、7日間経過して応募がなかった場合、辞退扱いとなります。
- 助成金との併用制限あり
「オンライン自主応募」を通じて採用した場合、雇用関係助成金の一部(トライアル雇用助成金など)が対象外になる可能性があります。ハローワーク経由の採用が助成金申請の条件となっている制度を利用予定の場合は、事前にハローワークに確認することをおすすめします。 - 求職者が公開している情報は、求職者本人の裁量で書かれているので、経験や資格等は面接でキチンと確認しないといけません。
利用方法
- 1. 求人者マイページのアカウント登録(仮登録)
ハローワークインターネットサービスにアクセスします。
トップページにある「事業所登録・求人申込み(仮登録)」から、利用規約に同意し、メールアドレスを登録します。
登録したメールアドレスに届く認証キーを使って、パスワードを設定します。
これにより、求人者マイページにログインできるアカウントが作成されます。 - 事業所情報・求人情報の仮登録
パスワード登録後、画面の指示に従い、事業所情報と求人情報を入力します。
事業所名、代表者名、所在地、仕事内容、就業時間、賃金、雇用形態など、詳細な情報を入力します。
過去にハローワークに求人を申し込んだことがある場合は、既存の情報を活用してスムーズに手続きを進めることができます。 - ハローワークでの本登録
インターネットサービスで入力した内容は「仮登録」の状態です。
管轄のハローワークの職員が、入力された内容を確認します。
この際、事業所の実在確認や求人内容の適正性を確認するため、電話や事業所訪問が行われることがあります。
内容に問題がなければ、ハローワークが求人を受理し、本登録が完了します。
この本登録が完了すると、求人がハローワークインターネットサービスに公開されます。 - インターネットサービス・直接リクエストの利用開始
本登録が完了すると、求人者マイページが本格的に利用できるようになります。
今後の活用に向けて
「無料で使えるダイレクトスカウト機能」として、注目され始めた「直接リクエスト」ですが、まだまだその存在を知らない企業も少なくありません。特に、地域密着型の中小企業にとっては、コストを抑えて採用力を高められる有効な手段となるでしょう。
また、2025年8月にはセキュリティ強化などのリニューアルも進んでおり、求職者のマイページ利用も増加傾向にあります。企業側の活用度も今後さらに高まると予想されます。
ダイレクトリクルーティングを始めたいが、費用面がネックになっていた企業や、これまでハローワークを「待ちの採用手段」と見なしていた企業にとっては、この「直接リクエスト」こそ、活路となるかもしれません。
まとめ
ハローワークの「直接リクエスト」は、無料で使える新しいスカウト機能として、企業の採用活動を後押しします。コストゼロでスピーディーにマッチングが可能な一方、利用制限や助成金との併用制限など、知っておくべきポイントもあります。積極的な活用で、これまでとは違う採用の可能性を広げてみてはいかがでしょうか。
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