高卒採用は、若手人材を確保し、長期的に育成するための採用手法の一つです。一方で、大学新卒採用や中途採用とは異なり、ハローワークを通じた求人申し込みや学校を介した応募など、独自のルールが設けられています。
また、高卒採用の求人倍率は高い水準にあり、採用スケジュールを守るだけでなく、高校生に自社を知ってもらう取り組みも重要になっています。
本記事では、高卒採用の基本ルールやスケジュールに加え、現在の採用市場の状況、応募者を集めるためのポイントを解説します。
高卒採用の現状・求人倍率から見る採用市場
近年、人手不足を背景に、若手人材を確保する手段として高卒採用に取り組む企業があります。特に製造業や建設業など、入社後の育成を通じて技能を身につけられる職種では、高卒人材も重要な採用対象となります。
厚生労働省が公表した2026年3月卒業者の就職状況によると、高校新卒者の求人倍率は4.12倍、就職内定率は98.9%でした。
求人倍率4.12倍とは、求職者1人に対して約4.12人分の求人があることを意味します。高卒採用では、企業間の人材獲得競争が厳しい状況にあることがわかります。
こうした状況では、求人票を提出するだけでなく、高校との関係づくりや職場見学を通じて、仕事内容や職場環境を伝えることが重要です。
また、高卒採用は一般的な新卒採用とは異なり、ハローワークや学校を通じた手続きが基本となります。採用機会を逃さないためにも、独自のルールやスケジュールを理解しておく必要があります。
高卒採用の知っておくべき8つの基本ルール
高卒採用には、文部科学省・厚生労働省が定めるガイドラインに基づく厳格なルールがあります。主なポイントを整理すると、以下の8つに集約されます。
- 求人票はハローワークを通じて提出
高卒採用は、まず企業がハローワークへ求人票を提出することから始まります。直接学校へ求人を持ち込むことは認められていません。 - 学校を経由して応募が行われる
生徒は原則として学校を通じて応募します。担任や進路指導の先生が窓口となるため、企業は学校との関係構築が不可欠です。 - 一人一社制の原則(地域による違いあり)
高校生は原則として最初の応募は一社に限られます。これは応募者の選考機会を公平に確保するための仕組みです。 - 選考開始日は全国で統一されている
高卒採用の選考は、毎年9月16日以降に開始されます。それ以前に面接や試験を行うことは禁止されています。 - 採用内定の開始日にも決まりがある
高卒採用では、採用選考と採用内定の開始日が定められています。2027年3月卒業予定者については、2026年9月16日以降に選考および採用内定が可能となります。
選考結果は学校を通じて速やかに通知し、定められたルールに沿って採用活動を進めることが重要です。 - 学校推薦が基本
大学新卒採用で一般的な自由応募とは異なり、高卒採用は学校推薦が中心です。生徒の成績や適性を踏まえた推薦を受けた上で応募が可能になります。 - 応募書類のやり取りも学校経由
履歴書や成績証明書などは、生徒が直接企業に提出するのではなく、学校を通じて送付されます。 - 職場見学や説明会の実施が重要
高校生にとって社会経験は限られているため、実際に職場を見学したり説明を受けたりする機会を設けることが採用成功のカギとなります。
これらのルールを理解し、順守することは信頼関係の構築につながります。逆にルール違反は、学校やハローワークからの信頼を失い、翌年以降の採用活動に大きな影響を与える可能性があります。
高卒採用では学校との連携が重要
高卒採用では、学校が生徒と企業をつなぐ重要な役割を担っています。企業がハローワークで受理された求人票を学校に提出し、学校を通じて生徒に求人情報が提供される仕組みが基本です。
そのため、企業は高校生だけでなく、進路指導を担当する先生にも仕事内容や職場環境を正確に伝える必要があります。
また、応募時期に適用される一人一社制などのルールは都道府県によって異なるため、採用予定地域のハローワークで確認しておきましょう。
高卒採用の採用スケジュール
高卒採用には全国で統一されたスケジュールが存在し、厚生労働省が毎年発表しています。
令和9年3月新規高等学校卒業者のスケジュールは以下の通りです。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 6月1日以降 | ハローワークに求人申し込み開始 |
| 7月1日以降 | 学校に求人票の送付開始 |
| 7月下旬〜8月 | 企業説明会や職場見学を実施 |
| 9月5日以降 | 学校からの応募書類受付開始(沖縄県は8月30日) |
| 9月16日以降 | 採用選考・採用内定開始 |
高卒採用では、求人票の提出時期だけでなく、学校訪問や職場見学の準備も重要です。例えば、7月の求人票公開に向けて、仕事内容や労働条件を整理し、学校訪問時に説明できる資料を用意しておくとよいでしょう。
また、応募前職場見学では、実際の仕事内容や職場の雰囲気を伝えることで、高校生が入社後の働き方を具体的にイメージしやすくなります。
なお、複数応募が可能になる時期などは地域によって異なるため、各都道府県のルールを確認してください。
高卒採用で応募者を集めるための4つのポイント
高卒採用では、決められたルールやスケジュールを守るだけでなく、高校生に自社を知ってもらい、応募につなげる取り組みも重要です。
採用活動において、応募候補となる人材を集めることを「母集団形成」といいます。高卒採用では、学校との関係づくりや求人票の工夫、職場見学などが母集団形成につながります。
1. 採用したい人物像を明確にする
まずは、採用予定人数や仕事内容、求める適性を整理しましょう。
高卒採用では、入社時点の経験や専門知識だけでなく、入社後にどのような教育を行い、どのように成長してもらうかを考えることも重要です。
採用条件を整理することで、学校側にも自社が求める人材や仕事内容を説明しやすくなります。
2. 高校との関係づくりを進める
高卒採用では、学校を通じた求人情報の提供が基本となります。そのため、進路指導担当の先生に自社の仕事内容や職場環境を理解してもらうことが大切です。
学校訪問では、求人票の説明だけでなく、入社後の教育体制や働き方、若手社員の活躍状況などを具体的に伝えましょう。
3. 職場見学で仕事内容を具体的に伝える
高校生にとって、求人票の文章だけで実際の仕事内容を理解することは簡単ではありません。
職場見学では、作業内容や職場環境、先輩社員の働く様子などを紹介し、入社後のイメージを持ってもらうことが重要です。
仕事内容だけでなく、勤務時間や休日、仕事の大変な部分についても正確に説明することで、入社後の認識の違いを減らすことにつながります。
4. 求人票の内容をわかりやすくする
求人票では、専門用語をできるだけ避け、仕事内容を具体的に記載することが重要です。
例えば「製造業務」とだけ記載するのではなく、「部品の組み立て」「製品の検査」など、実際に担当する作業を説明すると、仕事内容が伝わりやすくなります。
また、教育体制や必要な資格、入社後のキャリアなども明確にすることで、高校生や学校の先生が企業を比較する際の判断材料になります。
まとめ
高卒採用では、独自のルールやスケジュールを理解するだけでなく、学校との関係づくりや職場見学、求人票の工夫など、応募につなげるための準備が重要です。
特に採用競争が厳しい状況では、自社の仕事内容や魅力をわかりやすく伝え、計画的に採用活動を進める必要があります。
Gozaru部では、これまでの採用支援の経験をもとに、企業の採用課題に応じた支援を行っています。
「採用業務に十分な時間をかけられない」「求人作成や採用活動の進め方に悩んでいる」といった企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。
参考資料:
厚生労働省「令和7年度 高校・中学新卒者の求人・求職・就職内定状況(令和8年3月末現在)」
厚生労働省「令和9年3月新規高等学校等卒業者の採用選考期日等」
ハローワークインターネットサービス「よくあるご質問(高卒求人について)」


















