就職活動をする学生は、仕事内容や給与、福利厚生だけで企業を選んでいるとは限りません。企業が何を大切にし、どのような目的で事業を行っているのかといった「企業理念」や「パーパス」も、企業を知るための要素の一つです。
株式会社学情が2024年3月卒業予定の大学生・大学院生370名を対象に実施した調査では、パーパスを制定する企業への印象や、パーパスが企業への志望度に与える影響などが調査されています。
本記事では、この調査結果をもとに、学生が企業理念やパーパスをどのように捉えているのか、採用活動ではどのように伝えていけばよいのかを解説します。
就活生は企業理念・パーパスを重視している?
企業のパーパスは、学生から企業への印象や志望度にも関係しています。
学情の調査結果から、学生がパーパスを制定する企業をどのように捉えているのか見ていきましょう。
72.7%がパーパスを制定する企業に「好感が持てる」

参照:日本最大級の人事ポータル HR pro
『企業の「パーパス」が就職活動に与える影響とは。
24卒生の6割以上が“パーパス制定企業”について「志望度が上がる」と回答』
学情の調査では、パーパスを制定している企業について「好感が持てる」と回答した学生は39.7%、「どちらかと言えば好感が持てる」は33.0%でした。
合わせると、72.7%の学生がパーパスを制定する企業に好意的な印象を持っていることになります。
企業が何のために存在し、どのような方向を目指しているのかを示すことは、学生に自社を知ってもらうきっかけの一つになると考えられます。
61.9%が「パーパスを知ると志望度が上がる」と回答

参照:日本最大級の人事ポータル HR pro
『企業の「パーパス」が就職活動に与える影響とは。
24卒生の6割以上が“パーパス制定企業”について「志望度が上がる」と回答』
企業への印象だけでなく、パーパスは志望度にも関係しています。
調査では、「志望度が上がる」が26.5%、「どちらかと言えば志望度が上がる」が35.4%となり、合わせて61.9%の学生が、企業のパーパスを知ることで志望度が上がると回答しました。
調査のフリーコメントでは、企業が事業を展開する目的を知りたいという趣旨の声や、企業の目指す方向と自身の関心が一致すると志望度が上がるという声も紹介されています。
採用活動では、事業内容や仕事内容だけでなく、「なぜこの事業を行っているのか」「事業を通じて何を実現したいのか」まで伝えることが、学生の企業理解につながります。
57.0%が就職活動でパーパスや社会貢献を意識
同調査では、「パーパスや企業がどのように社会に貢献しようとしているかを、就職活動において意識するか」という質問も行われています。
「意識する」は23.2%、「どちらかと言えば意識する」は33.8%となり、合計57.0%でした。
学生が企業について調べる際には、「何をしている会社なのか」だけではなく、その事業が社会とどのようにつながっているのかも企業を理解する材料になっていることがうかがえます。
そもそも「パーパス」とは?
「パーパス(Purpose)」とは、企業としての「存在意義」を意味します。
「自社は何のために存在するのか」「事業を通して社会にどのような価値を提供するのか」といった、企業の根本的な存在理由を示すものです。

参照:doda人事ジャーナル
「パーパス(purpose)とは?意味や経営理念との違い、メリットを解説」
パーパスと似た言葉に、企業理念やミッション、ビジョン、バリューがあります。
- パーパス:なぜ企業が社会に存在するのか
- ミッション:目的に向けて何を行うのか
- ビジョン:将来的にどのような状態を目指すのか
- バリュー:企業や社員が大切にする価値観や行動基準
それぞれ意味は異なりますが、採用活動では細かな言葉の違いだけにこだわるのではなく、「自社が何を大切にし、何を目指して事業を行っているのか」を学生に分かりやすく伝えることが重要です。
なぜ企業理念・パーパスが就活生に響くのか
では、なぜ企業理念やパーパスが学生の企業選びに関係するのでしょうか。
調査結果からは、「企業が目指す方向」と「自分が仕事を通じて実現したいこと」との接点を確認しようとする学生の姿が見えてきます。
企業が目指す方向性を知ることができる
仕事内容だけでは、その企業が「なぜその事業を行っているのか」までは分からないことがあります。
企業理念やパーパスを伝えることで、企業が目指している方向や、事業を通じて実現したいことを学生が理解しやすくなります。
同じような仕事内容や条件の企業を比較するときにも、企業の考え方を知るための一つの材料になります。
自分の価値観と合っているか確認できる
学情の調査では、自身のパーパスや解決したい社会課題について「意識する」と回答した学生が18.4%、「どちらかと言えば意識する」が26.2%で、合計44.6%でした。

参照:日本最大級の人事ポータル HR pro
『企業の「パーパス」が就職活動に与える影響とは。
24卒生の6割以上が“パーパス制定企業”について「志望度が上がる」と回答』
すべての学生が明確なパーパスを持っているわけではありませんが、自分が仕事を通じて何をしたいのか、どのようなことに関わりたいのかを意識している学生もいます。
企業が自社の考え方を明確に伝えることで、学生側も「自分の考え方と合っているか」を判断しやすくなります。
企業理念・パーパスを採用活動でどう伝える?
企業理念やパーパスを掲げているだけでは、学生に十分伝わるとは限りません。
大切なのは、理念と実際の事業や仕事内容を結びつけて伝えることです。
求人情報では「理念」と「仕事内容」を結びつける
企業理念だけを求人情報に掲載しても、学生にとっては抽象的に感じられる場合があります。
例えば、「地域社会に貢献する」という理念を掲げているのであれば、
「地域社会に貢献します」
だけで終わらせるのではなく、
「地域の○○という課題を解決するために△△事業を行っており、今回募集する職種では□□を担当します」
というように、理念と事業、仕事内容のつながりまで説明すると、自分がどのように関われるのかイメージしやすくなります。
採用サイトや説明会では具体的なエピソードを伝える
企業理念を説明するときは、実際の取り組みや社員のエピソードを交えて伝えることも一つの方法です。
- なぜ現在の企業理念が生まれたのか
- 理念が事業にどう反映されているのか
- 社員がどのような場面で理念を意識しているのか
- 仕事を通じて顧客や社会にどのような価値を提供しているのか
こうした具体例があることで、理念を単なる言葉ではなく、実際の企業活動として理解してもらいやすくなります。
面接では学生の価値観も確認する
企業から一方的に理念を説明するだけではなく、学生が仕事で大切にしたいことを確認することも重要です。
「仕事を通じて実現したいことはありますか?」
「仕事をするうえで大切にしたいことは何ですか?」
「どのような仕事にやりがいを感じますか?」
といった質問から学生の考え方を確認し、自社の理念や仕事内容との接点を伝えることで、相互理解につなげられます。
企業理念を伝えるときは「掲げるだけ」にしない
企業理念やパーパスを採用活動に取り入れる際に注意したいのが、実際の企業活動とのズレです。
理念として魅力的な言葉を掲げていても、仕事内容や社員の行動と結びついていなければ、学生に具体的なイメージを持ってもらうことは難しくなります。
採用活動で企業理念を伝える際は、
- 理念が実際の事業にどう反映されているか
- 社員がどのように実践しているか
- 入社した人がどのように関われるか
まで具体的に伝えることを意識しましょう。
まとめ
学情の調査では、パーパスを制定する企業に72.7%の学生が好感を持ち、61.9%がパーパスを知ることで志望度が上がると回答しています。
企業理念やパーパスは、企業が大切にしている考え方や目指す方向を学生に知ってもらうための情報の一つです。
ただし、理念を掲載するだけで採用につながるわけではありません。「なぜこの事業を行っているのか」「実際の仕事と理念がどうつながっているのか」「入社するとどのように関われるのか」まで具体的に伝えることが重要です。
自社の理念は掲載しているものの、「求人でうまく魅力を伝えられていない」「自社の特徴をどう採用情報に落とし込めばよいか分からない」という場合は、求人内容や採用サイトなど、求職者との接点から見直してみましょう。
Gozaru部では、企業ごとの採用課題に合わせ、求人内容の見直しや採用活動をサポートしています。応募が集まらない、自社の魅力をどのように伝えればよいか分からないなど、採用についてお困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。
出典:
・HRプロ「企業の『パーパス』が就職活動に与える影響とは。24卒生の6割以上が“パーパス制定企業”について『志望度が上がる』と回答」
https://www.hrpro.co.jp/trend_news.php?news_no=2085
・doda人事ジャーナル「パーパス(purpose)とは?意味や経営理念との違い、メリットを解説」
https://www.dodadsj.com/content/220131_purppse/


















