制度で差がつく時代へ。 “この会社で働きたい”を生み出すユニークな取り組みとは?

就職活動中の学生や若手求職者が企業を選ぶ際、「どんな仕事か」だけでなく「どんな環境で働けるか」「どんな制度があるか」が大きな判断基準になっています。
とくに、近年は“人間らしく働ける会社”に対する関心が高まっており、福利厚生や社内制度のユニークさが企業選びの決め手となるケースも少なくありません。

実際に、「ズル休み制度」「子連れ出勤制度」「アニバーサリー休暇」「潜水体験研修」など、思わず話したくなるような社内制度を導入する企業が増えてきています。
これらの制度は、単なる福利厚生の枠を超えて「社員の人生に寄り添う姿勢」を表すメッセージとして、共感を呼んでいるのです。

さらに、こうした取り組みはSNSで拡散されたり、メディアに取り上げられたりすることで、企業の“話題性”や“ブランド価値”を高める副次的な効果も期待できます。
採用の場面では、「おもしろい会社」「人を大切にしている会社」として認知され、応募者との心理的な距離を縮めるきっかけにもなります。

今回の記事では、コストを抑えて導入できる制度のアイデアから、社員が自発的に語りたくなるユニークな制度まで、注目の取り組みをご紹介します。
制度から伝わる企業の姿勢を見直すことで、採用力の強化にもつながります。

Man to Man株式会社のユニークな社内研修「潜水体験研修」

私たちMan to Man株式会社では、全正社員を対象に「潜水体験研修」を実施しています。沖縄の海で72時間にわたり行うこの研修は、バディ(相棒)と協力しながら非日常の環境に挑むことで、自身を見つめ直し、人間力やチーム力を養うことを目的としています。
水中という特殊な環境では、相手との連携が欠かせず、自然と信頼関係が深まります。共通の困難を乗り越える体験は、日常業務にも良い影響を与え、組織全体の結束力を高める効果があります。
このようなユニークな教育制度は、社員の成長を後押しするだけでなく、「育てる文化」を持つ企業としてのブランド価値を高める有力な手段となります。

学生の心をつかむユニークな社内制度とは?

教育制度だけでなく、「ユニークな社内制度」も企業選びの大きなポイントです。注目されている取り組みには以下のようなものがあります。

  • 山ごもり休暇制度(ロックオン)
    毎年、年末年始・夏季休暇に9⽇間の休暇を、社長以下全員が得する社内制度です。実際に山ごもりをするわけでなく、その間はメールや電話などは⼀切禁⽌という意味で、過ごし方は社員に任されています。
  • プレイルーム制度(Cygames)
    ゲームやボートゲームをそろえた「プレイルーム」という社内スペースがあります。
    ゲームのプレイを通して交流を深め、チームワークを高められるゲーム開発会社ならではの施策です。 
  • シナジーカフェ GMO Yours(GMOインターネット)
    社内で24時間365⽇オープンしているカフェがあります。従業員はドリンクやフードを無料で利⽤でき、金曜の夜にはバーになるというカジュアルな制度です。
  • なりキリンママ・パパ(キリンホールディングス)
    子育て中の社員の⽇常を想定した架空の条件のもと、社員の働き方を1ヵ⽉間体験することにより、大変さを理解しフォローする体制を作ります。
  • 子連れ出勤制度(サイボウズ)
    「子どもが学童保育に⾏きたがらない」「預け先が無い」といった場合に、子どもを連れて出勤できます。従業員はよりフレキシブルな働き方が可能です。
  • 恋活プログラム(トヨタ自動車)
    「生産現場の男性はなかなか女性と触れ合う機会が少なく、未婚率も高いです。ワインパーティやバーベキュー、ボウリング大会など様々なイベントを通じて出会いを促し人生を楽しくします」イベントの前には、身だしなみやコミュニケーション講座も実施します。カップル成立率4割!
    これらの制度は、いずれも「社員の生活や人間関係の充実を支援する」という視点に立っています。特に若年層にとって、職場での人間関係やライフイベントとの両立が大きな関心事であるため、こうした制度が注目を集めやすくなっています。

導入コストを抑えた制度の工夫

コストをかけなくても魅力的な制度は導入可能です。

【 コミュニケーション促進】

  • 社長のおごり自販機
    気軽に使えるコミュニケーションツールになります。
    従業員の利用実績が見えるのも良いポイントです。(孤立しそうな人材を見つけてフォローできる)
  • 社長のおごりランチ
    月に1回グループランチをします。
    コミュニケーションの活性化を図る良いきっかけになります。

【健康管理】

  • 花粉症手当
    通院、ティッシュ、マスク、目薬などの費用を支給します。
  • チョコザップ
    仕事の合間や通勤途中など気軽に運動することで、体だけでなく、メンタル面にもプラスになります。
    セルフエステやセルフ脱毛もあり女性にも人気です。

【休暇制度】

  • エフ休
    女性の特別休暇すべてを表す呼称で、女性特有の体調不良に対応する制度です。
  • マタニティ通院休暇
    基本的に無給にはなりますが、名称を付けることで休みを取りやすくする制度です。
  • キッズデイ休暇 
    子供の入園式や入学式、参観日や学校行事といったイベントに合わせて休暇を取得できる制度です。
  • Sick Leave休暇(シックリーブ休暇) 
    有給休暇とはまた別に、病気やけがによる休暇を年10回まで取得可能な制度です。
    社員を支える配偶者や子ども、親、ペットが病気やけがになったときにも適応されます。
  • アニバーサリー休暇 
    1年に1度自分で選んだ好きな日(推しの誕生日でもよい)を休日にできる制度 です。
  • ズル休み休暇
    3か月に1度に限り、正直に「ずる休みさせてください」と申告すれば、当日であっても有給休暇が取得できるユニークな社内制度です。 

【復職支援】

  • 出戻り手形制度
    退職から2年内の復職であれば退職前と変わらないポストを約束するといった制度です。
    ⼿形とあるように、社員全員が利⽤できる制度ではなく、優秀な人材に対し「出戻り⼿形」を発⾏します。


    社員が思わず誰かに話したくなる制度=企業の「話題性」となり、SNSでの拡散やメディア露出を促す副次効果もあります。

採用担当者に求められる視点とは

採用担当者が自社の制度を見直す際、「社内では当たり前になっている取り組み」ほど外部には新鮮に映ることを意識すべきです。

例えば、マタニティ通院休暇やSick Leave休暇(シックリーブ休暇)など、
社員にとって当たり前の制度でも、求職者にとっては安心材料や魅力ポイントとなる場合があります。

また、育成制度と福利厚生の組み合わせによって、「働きながら成長できる環境」が整っていることを示せば、企業としての魅力がより伝わりやすくなります。制度を単なる仕組みではなく、社員を支える文化として捉え、効果的に発信していくことが求められます。

まとめ

教育制度や福利厚生は単なる「社内の仕組み」ではなく、学生と企業をつなぐコミュニケーションツールです。人を惹きつける制度は、会社の「人を大切にする姿勢」を象徴するもの。採用力を高めるためにも、制度の見直しと効果的な発信が重要です。

出典元:

https://bpcom.jp/hagukumikikin/feature/welfare-feature/4750/

https://phoneappli.net/well-being-note/column/workstyle/welfare-unique-merit/

https://gentosha-go.com/articles/-/35343

https://president.jp/articles/-/14487

https://magazine.cygames.co.jp/archives/28069

https://cybozu.co.jp/recruit/workplace/benefit

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鬼頭 亨輔
人材会社で採用支援に携わっています。人材不足に悩む企業をサポートしながら、アグリゲーションサイトの特徴やオウンドメディアの活用法など、日々学びを深めています。このブログでは、採用現場での気づきや最新情報をわかりやすく発信していきます。ぜひ気軽にご覧ください!