カジュアル面談は面接の代わりになるのか?

20代求職者の8割が希望する!カジュアル面談

「応募前に一度、気軽に話せる場を設けたい。」そう考える一方で、採用をほかの業務と兼任していると、面談を増やす時間を確保できるかも気になるところです。カジュアル面談を行えば、通常の面接を省けるのでしょうか。

カジュアル面談と採用面接は目的が異なります。 面談は企業と候補者が情報を交換する場、面接は採用の可否を判断する場です。面談を実施しただけで、面接を済ませたことにはなりません。ただし、すべての募集で面談を追加する必要もありません。

この記事では、両者の違いを整理したうえで、中小企業がカジュアル面談を設けるとよい状況、設けなくてもよい状況を具体的に紹介します。

カジュアル面談と採用面接の違い

カジュアル面談は、候補者が仕事内容や会社について知り、企業も候補者の関心や疑問を聞くための機会です。一方、採用面接では、募集する仕事に必要な経験や適性などを確認し、選考を行います。Wantedlyも、カジュアル面談を相互理解の機会、面接を候補者の見極めを目的とする機会として区別しています。

カジュアル面談と採用面接の比較

カジュアル面談採用面接
目的仕事内容や職場について情報交換募集職種との適合を確認し、
採否を判断する
候補者の状態応募するか検討中の場合もある選考を受ける意思がある
選考要素なし(原則)あり
企業が伝えること実際の業務、働き方、
職場の様子など
募集内容の説明に加え、
選考方法や条件など
実施後候補者の意向を確認し、
希望があれば選考を案内
選考結果や次の選考を案内する

例えば、候補者が「求人票だけでは一日の仕事が想像できないので、応募前に現場の話を聞きたい」と考えているなら、面談が役立ちます。すでに応募の意思が固まっているなら、面談を挟まず面接で仕事内容を説明し、質問を受ける方法もあります。

違いを決めるのは、会話が堅いか柔らかいかではなく、その場の目的です。 和やかな雰囲気の面接もありますし、面談でも仕事について具体的に話せます。候補者に「選考ではない」と案内した以上、面談中の受け答えを使って実質的に合否を決める運用は避けましょう。

カジュアル面談のメリット・デメリット

採用活動において、カジュアル面談を設けるメリット・デメリットを紹介します。

メリット

    • ミスマッチ防止と定着率向上
      求職者と企業が本音で話せるため、入社後のギャップを減らし、早期離職のリスクを低減します。企業は自社にフィットする人材を見極めやすくなり、定着率向上に繋がります。
    • 応募意欲の向上と魅力付け
      求人票だけでは伝わりにくい企業の魅力やカルチャーを直接伝え、求職者の関心や応募意欲を引き出します。社員の熱意は企業ブランディングにも貢献します。
    • 転職潜在層へのアプローチ
      すぐに転職を考えていない「転職潜在層」に対し、情報収集という気軽な形で接点を持てます。これにより、将来的な優秀な人材の囲い込みが可能になります。

    デメリット

    • 工数の増加
      面談設定から実施、フォローアップまで、採用担当者や現場社員の業務負担が増える可能性があります。協力体制の構築が不可欠です。
    • 応募に繋がらないケース
      全ての面談が直接応募に結びつくわけではありません。情報収集目的の参加者もいるため、「企業ブランディング」や「将来的なパイプライン構築」と捉える視点も重要です。
    • 担当者育成の必要性
      面談の成功は担当者のスキルに左右されます。企業の魅力を伝え、求職者の興味を引き出すコミュニケーション能力や、適切な態度を保つための担当者育成に時間とリソースが必要です。

    カジュアル面談を設けるとよい企業・採用状況

    カジュアル面談が役立つのは、応募前に解消したい疑問があり、求人票や通常の選考だけでは伝えきれない場合です。会社の規模だけで必要性は決まりません。

    仕事内容を求人票だけでは説明しきれない場合

    同じ職種名でも、担当する仕事の範囲や一日の流れは企業によって異なります。例えば「事務職」でも、入力業務が中心なのか、顧客対応や現場との調整まで担当するのかによって、働く姿のイメージは変わります。

    求人票を読んだ候補者から仕事内容について繰り返し質問を受けるなら、応募前に現場社員と話せる機会を設ける価値があります。ただし、毎回同じ質問を受けているなら、先に求人票の説明を見直せないかも確認しましょう。

    候補者が応募を決める前に職場の実情を知りたい場合

    働き方や職場の様子を知ってから応募を決めたい候補者には、面談が判断材料になります。説明する際は、良い面だけでなく、忙しい時期や仕事の難しさも具体的に伝えることが大切です。

    学情が2024年に実施した、20代の就職・転職希望者315人を対象とする調査では、カジュアル面談の機会があれば「参加してみたい」「どちらかというと参加してみたい」の合計が83.4%でした。また、社会人経験のある20代では、応募後に知ると志望度が上がる情報として「実際の残業時間・休日のとりやすさ」が多く挙がっています。

    応募前の接点が必要な採用方法を使っている場合

    企業から候補者に声をかけるスカウト採用などでは、候補者がまだ応募を決めていないことがあります。その段階でいきなり面接を案内するより、まず仕事や会社について話す場を設けたほうが、候補者の疑問に答えやすい場合があります。Re就活の記事でも、スカウトなどを通じて接点を持った候補者の企業理解を深める場として、カジュアル面談が紹介されています。

    ただし、面談を設ければ必ず応募が増えるわけではありません。採用担当者と現場社員の日程調整も必要になるため、「誰の、どの疑問を解消するための面談か」を決めてから導入しましょう。

    カジュアル面談を設けなくてもよい企業・採用状況

    面談は採用工程を一つ増やします。候補者の疑問を別の方法で解消できるなら、無理に設ける必要はありません。カジュアル面談を設けなくてよい例を紹介します。

    候補者がカジュアル面談を希望しない場合

    候補者が仕事内容や勤務条件を理解しており、面接前に確認したいことが特にない場合は、カジュアル面談を追加せずに面接へ進めます。面接でも候補者から質問できる時間を設け、必要な情報を伝えましょう。

    なお、面談を希望するかどうかは、選考を受ける意思とは別に確認します。すでに選考を希望している候補者でも、面接前に解消したい疑問があれば、カジュアル面談を希望する場合があります。

    面談を追加すると、選考の開始が遅れる場合

    採用担当者が兼任で、現場社員との日程調整にも時間がかかる場合、面談の追加が候補者を待たせる原因になり得ます。特に早期の採用が必要な募集では、面談によって解消できる疑問と、日程調整にかかる時間を比べる必要があります。

    例えば応募者から聞かれる質問が数点であれば、メールで回答する、求人票に追記する、面接時に説明する、といった方法も選べます。

    求人票や面接で必要な情報を伝えられる場合

    仕事内容、勤務条件、選考の流れが求人票に具体的に書かれており、候補者からも応募前の説明を求められていないなら、面談の優先度は高くありません。

    判断に迷う場合は、直近の応募者が面接前に何を質問したかを振り返ってみてください。同じ疑問が何度も出ていれば、まず求人票を改善する。個別に詳しく聞きたいという希望が多ければ、面談を選択肢として設ける。こうすると、全員に面談を追加せずに対応できます。

    カジュアル面談を面接と混同しないための注意点

    面談を設ける場合は、候補者が「これは選考なのか」と迷わないようにすることが大切です。

    案内の時点で、面談の目的を伝える

    日程を案内するときに、何を話す場なのか、選考を行うのかを明記しましょう。例えば、次のように伝えられます。
    『今回は、仕事内容や職場について知っていただくための情報交換の場です。この面談では合否の判断は行いません。気になることがあれば、当日お気軽にご質問ください。』
    こう伝えたうえで、候補者が特に知りたいことを事前に聞いておけば、限られた時間でも必要な情報を用意しやすくなります。

    「選考ではない」と伝えた面談を、実質的な面接にしない

    候補者の関心やこれまでの経験を会話の中で聞くこと自体と、採否を判断することは別です。志望動機を詳しく問い、回答を評価して次の選考に進めるか決めるのであれば、候補者に案内した面談の目的と食い違います。

    採用担当者だけでなく、同席する現場社員にも「今回は仕事内容を説明し、質問に答える場」であることを共有してください。Wantedlyの案内でも、選考を希望していない候補者に対し、履歴書の提出や適性検査を求めることは控えるよう示されています。

    面談後に候補者が選考を希望した場合は、改めて選考の内容を案内します。面談の終わりにその場で応募を決めてもらう必要はありません。

    まとめ

    カジュアル面談は、採用面接の代わりではなく、求職者の興味を引き、企業理解を深める「情報提供と関係構築の場」です。合否判断は行わず、リラックスした対話を通じて企業と求職者の関係性を築くことが目的です。

    導入を考える際は、「応募前に候補者が知りたいことは何か」「求人票や面接では解消できないか」「面談を追加する時間を確保できるか」の順に確認しましょう。
    候補者の疑問を解消する必要がある募集では面談を設け、募集ごとに使い分けることが、兼任の採用担当者にも取り組みやすい方法です。

    実は、当社でもカジュアル面談を取り入れています。一対一で深く対話することで、学生さんの価値観や潜在的な強みを理解し、入社後のミスマッチ防止に真剣に取り組んでいます。
    新卒採用についてお困りの際は、ぜひ一度ご相談ください。貴社の採用活動に合わせた最適なサポートをご提案いたします。

    出典:
    Wantedly ヘルプセンター「カジュアル面談とは」
    https://help.wantedly.com/hc/ja/articles/9069718851865-%E3%82%AB%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB%E9%9D%A2%E8%AB%87%E3%81%A8%E3%81%AF?utm
    学情「20代のカジュアル面談に関する調査」(2024年9月)
    https://service.gakujo.ne.jp/wp-content/uploads/2024/09/240926-rekatsuenq.pdf?utm
    Re就活「カジュアル面談って何?採用面接とどう違うの?」
    https://re-katsu.jp/career/knowhow/?c1=%2Fsonota-oyakudachi%2Fcasual_mendan&utm
    Wantedly「カジュアル面談とは?面接との違いや流れ・進め方を解説」
    https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/casual_interview/?utm

    ABOUT US
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    鬼頭 亨輔
    人材会社で採用支援に携わっています。人材不足に悩む企業をサポートしながら、アグリゲーションサイトの特徴やオウンドメディアの活用法など、日々学びを深めています。このブログでは、採用現場での気づきや最新情報をわかりやすく発信していきます。ぜひ気軽にご覧ください!