採用活動では、経験やスキルなどの条件だけでなく、「どのような人に応募してほしいのか」を具体的に考えることが大切です。そこで活用できるのが「採用ペルソナ」です。
採用ペルソナを設定することで、求める人物像を社内で共有しやすくなり、求人で伝える内容や採用手法を考える際の基準にもなります。
この記事では、採用ペルソナの意味や採用ターゲットとの違い、具体的な作り方、求人への活かし方まで、採用業務が初めての方にも分かりやすく解説します。
採用ペルソナとは?
採用ペルソナとは、自社が採用したい人物を具体的な一人の人物像として設定したものです。
職務経験やスキルだけでなく、仕事に対する価値観、転職理由、希望する働き方、仕事選びで重視するポイントなどを整理していきます。
例えば、「法人営業経験のある人」だけでは、どのような求人がその人に響くのかまでは分かりません。
そこで、
「現在は法人営業として働いているものの、評価制度や今後のキャリアに不安を感じている。
次の転職先では、これまでの営業経験を活かせることや、成果が適切に評価される環境を重視している」
というところまで具体化すると、求人で何を伝えるべきかを考えやすくなります。
採用ターゲットと採用ペルソナの違い
採用ターゲットと採用ペルソナは似ていますが、具体性が異なります。
採用ターゲットは、「営業経験3年以上」「法人営業経験者」など、採用したい人材の条件や範囲を設定したものです。
一方、採用ペルソナでは、その条件に当てはまる人が「どのような仕事をしているのか」「なぜ転職を考えているのか」「転職先に何を求めているのか」といった部分まで具体化します。
【採用ターゲットの例】
・法人営業経験3年以上
・営業職経験者
・普通自動車免許を保有
【採用ペルソナの例】
34歳。メーカーで法人営業として8年間勤務。既存顧客への営業を中心に、新規開拓も経験している。現在の仕事に大きな不満はないものの、評価基準が分かりにくく、今後のキャリアにも不安を感じている。転職先では「これまでの営業経験を活かせること」「成果が評価されること」「将来のキャリアがイメージできること」を重視している。
このように具体的な人物像まで考えることで、求人で訴求する内容や採用方法を検討しやすくなります。
採用でペルソナを設定するメリット
求める人物像を社内で共有しやすくなる
採用担当者と現場責任者で「求める人材」の認識が異なることがあります。
例えば、採用担当者は「経験を問わず幅広く応募してほしい」と考えていても、現場では「すぐに一人で仕事を任せられる経験者がほしい」と考えているかもしれません。
ペルソナを作成する過程で必要な経験やスキル、任せたい仕事などを整理することで、採用担当者・現場・経営層で求める人物像をすり合わせやすくなります。
求人で伝える内容を決めやすくなる
求人には、仕事内容、給与、休日、福利厚生、職場環境、キャリアなど、多くの情報があります。すべてを同じように伝えるのではなく、ペルソナが仕事選びで重視している内容を考えることで、求人で優先的に伝える情報を整理できます。
採用方法を検討しやすくなる
ペルソナを設定すると、「その人はどのように転職先を探すのか」という視点でも考えられます。求人検索エンジン、人材紹介、ダイレクトリクルーティングなど、それぞれの特徴を踏まえながら、求める人材へどのように求人を届けるか検討する際の判断材料になります。
採用ペルソナの作り方【5ステップ】
STEP1|採用する目的を明確にする
まず、「なぜ採用するのか」を整理します。欠員補充なのか、事業拡大による増員なのか、新しい業務を任せるための採用なのかによって、必要な人材は変わります。
STEP2|実際の仕事内容を整理する
次に、採用する人に任せたい仕事内容を整理します。
- 入社後に担当する業務
- 一人で担当してもらう業務
- 周囲と協力して行う業務
- 入社時点で必要なスキル
- 入社後に身につけられるスキル
などを具体的にします。
STEP3|現場社員や責任者にヒアリングする
採用担当者だけで人物像を決めるのではなく、実際に一緒に働く現場にも確認しましょう。
例えば、
「現在活躍している人に共通する特徴は?」
「入社時点で必ず必要な経験は?」
「入社後でも身につけられるスキルは?」
「どのような人なら仕事を続けやすそうか?」
「過去に採用した人で、想定と違った点は?」
などを確認します。
STEP4|条件に優先順位をつける
ヒアリングした条件をすべて盛り込むと、現実にはほとんど存在しない人物像になる可能性があります。
そこで、
- 必須条件
- あれば望ましい条件
- 入社後でも身につけられる条件
などに分けて整理しましょう。
STEP5|転職理由や仕事選びの軸まで具体化する
最後に、経験やスキルだけでなく、求職者側の視点を加えます。
- なぜ転職を考えているのか
- 現在の仕事で困っていることは何か
- 次の職場で実現したいことは何か
- 給与、休日、仕事内容、勤務地など何を重視するのか
- 求人を見るときにどのような情報を確認するのか
などを考えることで、より具体的な採用ペルソナになります。
採用ペルソナの具体例
ここでは、中途採用で法人営業職を募集するケースを例に考えてみます。
【募集職種】
法人営業
【現在の仕事】
メーカーの法人営業
【経験】
営業経験8年。既存顧客への提案営業を中心に、新規開拓も経験
【転職を考えた理由】
現在の会社では評価基準が分かりにくく、今後のキャリアアップがイメージできない
【転職先で重視すること】
・これまでの営業経験を活かせる
・成果や取り組みが評価される
・将来のキャリアが分かる
・仕事内容や評価制度が求人段階から分かる
【情報収集】
求人サイトや求人検索エンジンで情報を収集し、仕事内容・給与・評価制度・キャリアについて比較する
このように、条件だけでなく「なぜ転職するのか」「何を重視しているのか」まで整理することがポイントです。
作成した採用ペルソナを求人に活かす方法
ペルソナは、作成すること自体が目的ではありません。設定した人物像を求人内容や採用活動へ反映して初めて活用できます。
例えば、先ほどの営業職のペルソナの場合、
「営業経験者歓迎」
だけでは、その人が知りたい情報を十分に伝えられません。
そこで、
- どのような営業経験を活かせるのか
- 新規営業と既存営業の割合
- 評価基準
- 入社後のキャリア
- 給与がどのように上がるのか
- 一日の仕事の流れ
などを具体的に求人へ掲載します。
ペルソナが知りたい情報と、企業が求人で伝えている情報にズレがないかを確認することが重要です。
また、応募後は「実際に応募した人は想定した人物像に近かったか」「求人のどの部分に魅力を感じたか」などを確認し、求人内容とペルソナの両方を見直していきましょう。
採用ペルソナを設定するときの注意点
理想の条件を詰め込みすぎない
「あの経験もほしい」「このスキルも必要」と条件を増やしすぎると、対象となる求職者が極端に少なくなる可能性があります。
必須条件と歓迎条件を分け、採用市場にそのような人材がどの程度いるのかも考えながら設定しましょう。
年齢や性別だけで人物像を決めない
年齢や性別を細かく設定することよりも、「その仕事をするために必要な経験・スキルは何か」「どのような価値観の人が自社で働きやすいか」を整理することが重要です。
仕事内容との関連性が低い条件を設定することで、本来自社で活躍できる人材を採用対象から外してしまわないよう注意しましょう。
作っただけで終わらせない
ペルソナを作成しても、求人内容や採用方法が以前と同じでは十分に活用できません。
「この人なら何を知りたいか」
「どのような求人なら興味を持つか」
「どこで仕事を探すか」
という視点で、求人内容や採用方法まで見直しましょう。
応募結果をもとに見直す
採用市場や求職者の状況は変化するため、一度設定したペルソナを使い続けるのではなく、実際の採用結果を確認することも大切です。
応募数だけでなく、応募者の経験・スキル、面接への移行状況、辞退理由なども確認し、想定した人物から応募が来ているかを振り返りましょう。
まとめ
採用ペルソナは、自社が採用したい人物を具体的にイメージし、求人や採用方法を考えるための基準になります。
大切なのは、理想の人物像を細かく作ることではなく、「どのような人に来てほしいのか」「その人は転職先に何を求めているのか」を整理し、実際の求人に反映することです。
まずは採用する目的や仕事内容を整理し、現場社員にも確認しながら、求める人物像を具体化してみましょう。
Gozaru部では、「求める人材から応募が集まらない」「求人で何をアピールすればよいか分からない」「自社に合った採用方法を知りたい」といった採用のお悩みに合わせて、求人内容や採用方法の見直しをサポートしています。採用活動や求人の改善にお困りの場合は、お気軽にご相談ください。
出典元:
クイック「採用ペルソナとは?メリットや項目、ステップを徹底解説」
https://saiyo-salon.jp/knowhow/recruitment-persona/?utm_Wantedly「採用ペルソナとは?作り方・項目例・具体例」
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/persona/?utmエン株式会社「採用ペルソナとは|作り方や設計のポイント、項目例」https://saiyo.employment.en-japan.com/blog/persona?utm_

















