近年、働き方の多様化により、副業や兼業、いわゆるWワーク(ダブルワーク)が広がっています。企業においても副業を認める動きが進む一方で、従業員の働き方を柔軟にするだけでなく、適切な労務管理が求められます。
特に注意したいのが、労働時間の管理や割増賃金の算定、過重労働への対応です。副業先での勤務状況によっては、本業だけを見ていては把握できない労務上の問題が生じる可能性があります。
本記事では、人事・労務担当者が知っておきたい副業・Wワークに関する法律の基本から、割増賃金の考え方、企業が整備しておきたいルールや注意点まで分かりやすく解説します。
副業に関する法律的な基本知識
副業やWワークを認める場合、企業が注意したいのが労働時間の管理と割増賃金の扱いです。複数の勤務先で働く場合は、一定のルールに基づいて労働時間を通算する必要があるため、副業先での勤務状況も踏まえて管理することが重要です。
| 項目 | 内容 | 法的根拠 | 注意ポイント |
|---|---|---|---|
| 労働時間の通算 | 複数の事業主で働く場合も、労働時間は合算して判断される。 | 労働基準法 第38条 | 通算で法定労働時間(8時間/日、40時間/週)を超えると割増賃金が必要。 |
| 割増賃金 | 時間外・休日・深夜勤務には割増賃金の支払い義務がある。 | 労働基準法 第37条 | 未払いは法違反。副業先での残業も通算対象になる場合がある。 |
| 就業規則の定め | 副業を全面禁止することは原則困難。合理的な理由が必要。 | 労働契約法 第3条ほか | 競業防止や業務への支障など、限定的な場合のみ制限が認められる。 |
副業先の労働時間を把握する
企業が適切に労働時間を管理するためには、従業員の副業先での勤務状況を把握できる仕組みが必要です。
副業の申請時や開始後に、勤務先や勤務時間などを従業員から申告してもらうルールを設けることで、本業と副業を合わせた労働時間を確認しやすくなります。申告する内容やタイミングなど、社内で運用方法をあらかじめ決めておくことが大切です。
割増賃金が必要になるケースを確認する
副業・Wワークでは、複数の勤務先での労働時間を通算した結果、法定労働時間を超える場合があります。そのため、企業は自社での勤務時間だけで判断せず、副業先での勤務状況も確認したうえで、割増賃金が必要になるかを判断する必要があります。
どの企業が割増賃金を負担するかについては、労働契約を結んだ順番や実際に労働した順番などによって判断が異なる場合があります。従業員からの申告内容を確認し、適切に対応することが重要です。
副業による過重労働にも注意する
割増賃金だけでなく、従業員の健康管理にも注意が必要です。本業だけでは適切な労働時間であっても、副業と合わせることで長時間労働となる可能性があります。
副業を認める場合は、勤務時間を把握するだけでなく、従業員の健康状態にも配慮し、必要に応じて副業の働き方を確認するなど、過重労働を防ぐための対応を行うことが大切です。
割増賃金を巡る実務上の注意事項
副業やWワークを認める場合、企業が注意したいのが労働時間の管理と割増賃金の扱いです。複数の勤務先で働く場合は、一定のルールに基づいて労働時間を通算する必要があるため、副業先での勤務状況も踏まえて管理することが重要です。
副業先の労働時間を把握する
企業が適切に労働時間を管理するためには、従業員の副業先での勤務状況を把握できる仕組みが必要です。
副業の申請時や開始後に、勤務先や勤務時間などを従業員から申告してもらうルールを設けることで、本業と副業を合わせた労働時間を確認しやすくなります。申告する内容やタイミングなど、社内で運用方法をあらかじめ決めておくことが大切です。
割増賃金が必要になるケースを確認する
副業・Wワークでは、複数の勤務先での労働時間を通算した結果、法定労働時間を超える場合があります。そのため、企業は自社での勤務時間だけで判断せず、副業先での勤務状況も確認したうえで、割増賃金が必要になるかを判断する必要があります。
どの企業が割増賃金を負担するかについては、労働契約を結んだ順番や実際に労働した順番などによって判断が異なる場合があります。従業員からの申告内容を確認し、適切に対応することが重要です。
副業による過重労働にも注意する
割増賃金だけでなく、従業員の健康管理にも注意が必要です。本業だけでは適切な労働時間であっても、副業と合わせることで長時間労働となる可能性があります。
副業を認める場合は、勤務時間を把握するだけでなく、従業員の健康状態にも配慮し、必要に応じて副業の働き方を確認するなど、過重労働を防ぐための対応を行うことが大切です。
企業が導入すべき副業ルールとガイドライン
副業やWワークを認める企業が増える中で、法的トラブルや労務管理の混乱を防ぐためには、明確なルールと運用方針を整備することが欠かせません。
以下に、企業が導入すべき副業ルールとガイドラインのポイントを整理しました。
- 就業規則に副業ルールを明記する
副業を「認める」「禁止する」だけでなく、条件を明確にしましょう。
例:事前申請制、競合他社での勤務禁止、業務時間外に限定など。 - 事前申請・承認フローを整える
副業を希望する従業員は、会社に申請するよう定めましょう。
勤務内容や労働時間を把握することで、割増賃金や過重労働のリスクを防げます。 - 労働時間の通算・割増賃金管理を行う
本業と副業の労働時間は通算して判断します。
1日8時間、週40時間を超える部分には割増賃金が必要です。 - 競業避止条項を設ける
同業他社や取引先での副業は、情報漏洩や利益相反のリスクがあります。
合理的な範囲での「競業避止条項」を設けましょう。 - 健康管理と長時間労働への配慮
副業で労働時間が増えると、過労や睡眠不足のリスクが高まります。
勤務状況の確認や健康相談の機会を設けましょう。 - 情報漏洩・守秘義務の明確化
副業を行う社員には、社内情報を持ち出さないよう周知が必要です。
誓約書や研修を通じて意識を高めましょう。 - ガイドラインを従業員に周知・教育する
ルールを整えても、周知しなければ意味がありません。
社内ポータルや研修で定期的に伝え、運用を見直していきましょう。
これらのルールを整備しておくことで、企業は副業を健全に推進でき、労務トラブルや法的リスクを最小限に抑えることができます。
副業解禁の本質は「自由化」ではなく、「明確なルール化」です。企業の信頼性を高めながら、柔軟な働き方を支える仕組みづくりが求められています。
まとめ
副業やWワークを認める場合は、労働時間や割増賃金、従業員の健康管理などを踏まえ、企業側でルールを整えておくことが重要です。制度を設けるだけでなく、実際に運用できる体制まで考えておきましょう。
また、副業をはじめとした柔軟な働き方は、求職者が企業を選ぶ際の一つのポイントにもなります。人材確保が難しくなる中、自社の働き方や採用条件を見直し、求職者に魅力を伝えていくことも大切です。
Gozaru部では、企業の採用課題に合わせた採用活動をサポートしています。「副業・Wワークなど多様な働き方に対応した採用を考えたい」「採用条件や求人内容を見直したい」など、これからの働き方に合わせた人材採用についてお悩みの際は、お気軽にご相談ください。
出典元:
厚生労働省|副業・兼業
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000192188.html厚生労働省|「働き方改革」の実現に向けてhttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322.html
労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000049

















